技術情報

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開発者コラム

図研エルミックのエンジニアが開発にまつわるコラムを書いています。


 

2011年 news78号

2011/08/04

「スマートエネルギーとIPv6」

LW事業部 開発1課 T.S

東日本大震災では本当に多くの方々が被災し、今も苦しんでおられると思います。 被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。 そんな中、私はこれから社会貢献できることはのは何なのかをずっと 考えてきました。 そしてスマートエネルギーという分野なら貢献が可能ではないかという 結論に至りました。 今回はこのスマートエネルギーとIPv6についてご紹介をさせていただきます。

■ スマートグリッド

スマートグリッドとは情報を使ってエネルギーを制御する仕組みです。 いろいろありますが、主にDRとDSMという2つの概念があります。

1. DR(Demand Response)
・最大需要電力発生時に送電会社が電力抑制を要求
- リアルタイムな電力料金の表示など
・需要が欲しいときに送電会社に要求
- EV(電気自動車)充電時など

2. DSM(Demand Side Management)
・電力逼迫時に送電会社が不要不急な電力消費を止める
- 家庭や企業の不必要な電力を止めて病院などのライフラインを残す

例えば、今回の計画停電では地域ごとに停電がありました。 しかし、DSMがあれば家庭や企業内の不要不急な電力(一部の電灯や広告灯など) を削ることで生活や生命維持に関わるものへの電力供給を続けることができます。

■ スマートハウス

スマートグリッドを利用したスマートハウスというのがあり、福岡や横浜で 実証実験が行われています。

スマートハウスとは、自然エネルギーなどの発電でエネルギー合成を行う家です。

自然エネルギーは安定供給に難があるので、蓄電池に電力を蓄えるなど、電力を 平準化して家庭内に供給します。すると、今家庭内でどのくらいの電力需要が あるかを 系統線を使用して送電会社に通知できます(DR)。

EVが本格的に普及すると充電時に問題になります。各家庭が一斉に充電し 始めると系統線のトランスに多大な負荷がかかり、焼け落ちたりしてしまう 恐れがあります。 そこでエネルギー合成を利用して系統の負荷が少ないEV充電を行います。 EV普及にはスマートハウスのような仕組みが不可欠だと思います。 このため、スマートハウスプロジェクトにはトヨタやデンソーなどが参加 しています。

また蓄電池やEVの充電池があれば停電対策になります。 今後ますます需要が高まっていくと思います。

■ HEMS(Home Energy Management System:ヘムズ)

スマートハウスはHEMSという情報家電の制御や情報収集を行う仕組みを持ちます。 例えば、スマートタップをコンセントに接続すると電力消費などが分かります。 また、遠隔操作や時間による機器の動作が利用できます。 送電会社がDSMを行うことも可能になります。

実はアメリカでは電力料金はリアルタイムに変化する州があります。 そこではスマートメータで電力料金や消費状況を知ることで節電行動を促せます。 例えば、洗濯機を料金が安い時間帯に動かしたいなどの制御が考えられます。 すでに、iPhoneやAndroidから制御するシステムを売る会社もあるようです。

情報家電をまとめるのがホームゲートウェイですが、通信はPLC(電力線の利用) や無線(ZigBee, BlueTooth, WiFi)を使用します。

HEMSの標準化はZigBeeアライアンスから始まりました。ZigBeeではプロファイル と呼ぶ決まりごとで様々なシーンの標準化を行っています。 例えば、HC(Health Care), RF4CE(リモコン)などがあり、その中の一つに SE(Smart Energy)があります。

SE1.0はZigBeeのみに限定されていました。しかし、電力業界やスマートグリッド の標準化を推進する米NISTなどが関わり、PLCなどが使えるようになっていきました。

■ IPv6

最新のSE2.0では、通信をIPv6で行うことが規定されています。 先ほどのHEMSとインターネットを融合することも想定されています。

下回りはZibBee, PLC, BlueTooth, WiFiなどが規定されています。 無線の中で、もっとも省電力なのはZigBee です。ZigBee はIEEE 802.15.4に準拠 しています。その規格でIPv6 を動かす技術が6LoWPAN です。

6LoWPANは厳しい制約、例えばMTUが127バイト(通常は1280バイト以上)でも IPv6を使用できるようにする技術です。

当社はIPv6技術は元より、総合的な通信のプロフェッショナルを目指しています。 少メモリ、少サイズ、暗号技術、特殊な通信、そしてXMLを利用したオブジェクト 操作など、できることは多々あります。

これらの技術を活かし、災害復興やエネルギーの安定供給、 そして自然エネルギーの普及に貢献していければ幸いです。

これからもぜひ応援よろしくお願い致します。

 
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