技術情報

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開発者コラム

図研エルミックのエンジニアが開発にまつわるコラムを書いています。


 

2010年 news74号

2010/12/01

KASAGO DHCPv6

リブウェア事業部 LW開発部 開発一課 N.W

昨年、ミドルウェア「KASAGO」のオプションプロトコルの一つであるKASAGO DHCPv6がリリースされました。
http://www.elwsc.co.jp/japanese/products/kasago_option.html

普段、私はKASAGO開発チームとしてKASAGOのバージョンアップや新しいオプションプロトコルの開発に関わっております。当時も同チームとしてKASAGO DHCPv6の開発に携わりましたので、今回はこのプロトコルについてご紹介したいと思います。

DHCPv6とは、IPv4版のDHCPプロトコルと同様に、動的にIPアドレスやその他の情報を割り当てることのできる、IPv6版のDHCPプロトコルです。IPv6ではDHCPv6以外にもIPアドレスを自動的に割り当てる仕組みが用意されていますが、ルータからプレフィックス情報を取得して自動構成されるステートレスアドレスに対して、DHCPv6で自動構成されるアドレスはステートフルアドレスと呼ばれます。DHCPでは、自動構成するためのIPアドレス以外にもDNSサーバの情報なども含むことができるため、DNSサーバのアドレスをサーバから取得して自動設定する場合などに有効なプロトコルです。
KASAGO DHCPv6オプションプロトコルでは、このDHCPv6のクライアント機能に対応しています。

プロトコルスタックでは、その処理性能もさることながら、他社製システムやプロトコルスタックとの相互接続性も重要になってくると考えています。いくら高機能と謳っても、誰とも接続できないシステムでは意味がありません。そこでKASAGOシリーズではIPv6 Ready Logoの取得を積極的に勧めており、KASAGO DHCPv6オプションプロトコルでも、その取得を完了しています。 (2009/12/9:JP-2-D-20090908-000112)

IPv6 Ready LogoはIPv6 FORUMが推し進める、IPv6の認定ロゴの取得プログラムです。IPv6 Ready Logo取得試験は大きく分けて、プロトコルスタックの仕様適合性の試験と相互接続性の試験に分けられ、それらをすべて満たしたものだけに認定ロゴが付与されます。

ロゴの取得に関しては、いくつかの苦節がありましたがそれらを乗り越え、ロゴ取得によってまずは一つ認めてもらったと感じております。次はユーザ様に実際に使用していただいて、ご評価を頂けたら開発者冥利に尽きるのですが。ちなみに、DHCPv6においてIPv6 Ready Logoを取得しているプロトコルスタックはいまのところ、数えるほどしかないと認識しています。

そしてつい先月のことですが、多くの機能強化やバグフィックスを行い、さらにブラッシュアップされたKASAGOコアプロトコルについても、無事にリリースできたことを開発者ともども嬉しく思っております。

IPv4アドレスが枯渇すると言われて久しく経ちますが、IPv6の採用は少しずつ増えてはいるものの、なかなかのスムーズに移行できていないのが現状だと感じます。このコラムを執筆している時点で、IANAのIPv4アドレスの未割当ブロック数は5%を切っています。IPv4アドレスの新規割り当てが終了するのは2011年とも言われていますが、私たちの製品がIPv6への移行を後押しするひとつの要素になってくると思っています。

最後になりましたが、私のような一開発者が自分たちの製品をアピールする機会はなかなかないので、このような場を頂けたことを嬉しく思います。

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

 
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