技術情報

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開発者コラム

図研エルミックのエンジニアが開発にまつわるコラムを書いています。


 

2012年 news81号

2012/2/22

「静電気が電気製品に与える影響」

SC開発1課 N.M

この季節になると、ドアノブ、エレベーターのスイッチなどを
さわろうとして「パチッ」となることがありますよね。
これの原因は、静電気の放電によるものなのですが、なぜ、空気が
乾燥すると増えるのでしょう?

実は、湿度は静電電圧の蓄積に影響を与えていて、乾燥した環境だと
静電電圧を高く保つようになります。
逆に湿度が高いと静電電圧は低くなるため、湿度の高い夏場は
静電気による現象が発生しにくいのです。
オフィスなどは、エアコンで空気が乾燥しているところに加え、
身につけている衣服や、床に敷いてあるカーペットとの摩擦という
静電気の発生原が多く、静電気が発生しやすい環境ということになります。

この静電気の放電現象は、電気製品に与える影響が大きく、家電や、
PC故障の原因になります。
そのため、静電気の放電現象に対する耐性を評価する試験もあり
静電気放電(ESD)試験と呼ばれています。
私が入社直後に担当したのがこの試験でした。

試験内容は、IEC61000-4-2という規格で厳密に規定されていて、
パルス発生器と言われる試験装置を使います。
これは、拳銃のような形をしていて、銃口にあたる部分には金属の
電極があり、引き金を引くと先端の電極から設定した電圧(2000V~15000V)が
被試験装置である製品に印加されます。

試験内容を試験手順書で確認して、試験場に試験対象となる製品を
セッティングしたのですが、なかなか引き金を引くことができませんでした。
なにしろ、印加する電圧が、4000Vと今まで聞いたことの無い電圧です。

試験手順書どおり安全を確認して、覚悟を決めて引き金をひくと、
「パチッ」という音がして、先端の電極から火花が飛びました。
考えていたより衝撃もなく、正直、少し拍子抜けしました。
その後は順調に試験がすすみ、あと3箇所印加すれば終わりとなった時、
気の緩みがあったのか、うっかり製品に触れたまま引き金を引いてしまい。
強烈な衝撃を受けました。身をもって4000Vを体感してしまったのです。

この経験から、製品の試験の際には、最後まで気を緩めないように
心がけるようになりました。

静電気が発生しやすくなる時期になると必ずこの時の試験のことを
思い出してしまいます。



 

 
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