技術情報

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開発者コラム

図研エルミックのエンジニアが開発にまつわるコラムを書いています。


 

2013年 2月号

2013/2/26

「スイッチングハブの罠」

AD開発部 M.Y

皆さん、日頃何も意識せずにパソコンをネットワークに接続されていると
思いますが、どのような内容のものがLANケーブルに流れているかご存知でしょうか?

意識してパソコンを使用されている方は少ないと思いますが、実は様々な種類の
もの(パケット)が流れています。しかも、流れるパケットの種類によっては、
同じネットワークに接続しているパソコンに影響を及ぼすことができるものもあります。
怖いですね。

パソコンをネットワークに接続する際、LANケーブルはハブに接続されていると
思いますが、このハブはほぼ100%近くスイッチングハブという種類のものです。
ハブには他にリピータハブという種類のものがあるのですが、近年量販店では販売
されておりません。

ネットワークの仕事をしていると、LANケーブルに流れるパケットをキャプチャーする
必要が出てきますので、リピータハブもしくは高価なポートミラー機能付きのハブが
必須となります。しかし、リピータハブを新たに入手することは非常に困難で、中古品
を探すしかありません。昔は殆どリピータハブだったのですが、設備の入れ替え等で
廃棄してしまった方も多いと思います。
例に漏れず、私もあの時廃棄せずに残しておけばよかったと後悔しております。

先日ある現象が発生して困ったことがありました。それは、複数のパソコンが、
ネットワークに接続できないというものです。幸い社内にはネットワークに精通している
者が多かったので、直ぐに特定のパソコンから、ブロードキャストパケットが大量に
流れているということが原因だと判明しました。

ちなみにブロードキャストパケットとは、同じセグメント(同一LAN上に構成されたグループ)
全員に流すことのできる特別なパケットで、IPV4の場合、宛先アドレスはFF:FF:FF:FF:FF:FFと
なります。このパケットがスイッチングハブを通ると、ハブに接続されている全ポートに
送信されます。一方、ユニキャストパケットの場合は、宛先パソコンが接続されているポート
にのみ送信されます。
ブロードキャストパソコンは、宛先のIPアドレスを取得する為に、パソコン接続時に必ず
1回は送信されます(ARPパケット)。その後は、ユニキャストパケットが殆どとなります。
(ご参考までですが、IPV6ではブロードキャストパケットはありません。)


話がそれましたが、原因と特定したパソコンを切断してもネットワーク接続できない
現象は直りませんでした。仕方なく、接続しているスイッチングハブを切断したところ、
ようやく復旧することができました。よくよく調べてみると、切断したスイッチングハブに、
LANケーブルがループで接続されていました。

スイッチングハブにLANケーブルをループ接続すると、ブロードキャストパケットが
スイッチングハブを通してネットワーク上に延々と転送され続けます(ブロードキャストストリーム)。
受信側のパソコンには、かなりの負荷となり、結果ネットワークに接続できない状態となります。
影響範囲は、このスイッチングハブに接続されたパソコンだけではなく、その上段の
スイッチングハブに接続されたパソコンにまで及ぶ為、原因が特定しずらい現象となってしまいます。

市販のスイッチングハブは、数千円程度で100M~1Gのものが、高価なものだと10Gのものが
100万円程度で入手できます。機能も豊富で、ルータと同等機能を持つものや、先のループ接続
検知機能をもったものもあります。意図しない不具合を防ぐため、ループ接続検知機能が
内蔵されているスイッチングハブを選ぶようにするといいですね。


長文になりましたが、お読みいただきありがとうございました。



 

 
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